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...オフショア資産運用に関する基礎知識をまとめました。
...かなり個人的な見方も含まれていますが、その点はご容赦ください。

................⇒ オフショア・バンクとは
................⇒ オフショア口座は、シンガポールで開設すべし!
................⇒ オフショア・バンクの利用価値
................⇒ どんな金融機関に口座を開設すべきか
................⇒ オフショア口座の開設はますます困難になる?
................⇒ シンガポールのオフショア・バンク
................⇒ シンガポールの為替制度





フショア・バンク、オフショア銀行とは、海外から資金を集めることを意図して税金を非常に安く
(もしくは完全に非課税)設定している国や地域(オフショア・センター)に設立された銀行と説明されます。 
しかしオフショア金融市場が銀行間取引のメイン市場となった今となっては、世界の主要銀行はすべて、
オフショア・バンクでもあり、必ずしも特定の銀行群を指し示す単語ではありません。 ここでは、個人・法人の
資産運用を業務とする、オフショア・センターに設立された金融機関という 狭い意味で説明します。

オフショア・バンクは 政治的な干渉を受けにくいという事情から、世界の富裕層がその金融資産の大部分を
オフショアで保全・運用しています。
IMFでは、オフショアで運用されている資産は全世界で 5兆-7兆USドルに上ると推計しています。

オフショア・バンクのなかで、ゴールドマン・サックス、JPモーガン、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、
スミスバーニーなどのもともと証券会社から発展した金融機関は、しばしば投資銀行と呼ばれ、資産家に
ターゲットを 絞った運用成績重視のサービスに特化しております。 一方 HSBC、スタンダード・チャータード、
シティバンクなど、 商業銀行が総合化した銀行は、より広い顧客層に対してサービスを提供しています。
UBS、クレディ・スイスは、スイスの伝統ある金融機関ですが、最先端の資産運用、資産管理技術を持ち、
高度な プライベート・バンキング・サービスを誇っています。
名前をあげたような超大手金融機関は、自社やグループ企業で運用会社をもっており、それぞれに
金融商品を 開発し、自社で運用し、また他の金融機関へ金融商品の卸販売もしています。 

それぞれの金融機関が提供するサービスは、預け入れる資金の額によって大きく異なるという性格が強く、
はっきりとした線引きは難しいですが、おおよその理解のために、オフショア銀行・口座をランク分けして説明します。


1.)預金+決済口座 
 
単一通貨もしくは多通貨の、預金商品による運用と決済機能だけの口座。
小国のオフショアセンターに多い銀行口座。
口座開設時の最低預け入れ金額は、数万円から数十万円。

2.) 預金+決済+投資口座 
 
シンガポール、香港のオフショア・センターに多い銀行口座。
シティバンクIPB ブルー会員、HSBC バンテージ口座一般会員などが該当。
預金型商品だけでなく株式や、ファンドや、公社債などの売買も同じ口座ででき、クレジットカードなどの
サービスも利用できる場合が多い。

運用窓口担当者が付くこともあるが、顧客の求めに応じて情報を提供するという役割です。
口座開設時の最低預け入れ金額は、数十万円から数百万円。

3.) プライベートバンキングに近い投資口座 
 
シティバンクIPB ゴールド会員、HSBC バンテージ口座ゴールド会員、
リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、スミスバーニー, DBS, UOB, OCBC のオフショア口座など。
投資相談担当者がそれぞれの顧客の要望を理解し、金融商品の紹介や情報提供をしてくれます。
また金融機関によっては大口用の条件のよい ( 広く一般に販売していない) 商品も紹介ができます。
遺産相続に関する相談や、総合的な資産管理のアドバイスは基本的に提供しません。
口座開設時の最低預け入れ金額はUS$100,000- US$250,000(1200万円-3000万円)以上。
当然ながら担当者のサービスの度合いは預け入れ金額によって変わってきます。

4.) 大手金融機関のプライベートバンキング 
 
ゴールドマン・サックス、JPモーガン、 UBS、クレディ・スイス などが大手ですが、上に揚げた金融機関も
含め、ほとんどの海外大手銀行が大口顧客にプライベートバンキング・サービスを提供しています。
金融機関向けの商品を小分けにして紹介、販売することもできます。
投資相談担当者が遺産相続に関する相談や、総合的な資産管理のサービスも提供します。
顧客の要請に応じて、資産の信託運用のサービスも提供します。
通常 0.1-0.5 % 程度の年間資産管理料を取り、それが銀行の収益となります。
口座開設時の預け入れ金額は通常US$1Million(1.1億円)以上という設定をしているところが多いですが、
金融機関によっては US$5Million以上の預け入れを求めます。 プライベート・バンキングでポートフォリオに
組み入れる各金融商品の購入金額はロットが大きいため、プライベートバンキングのメリットを享受するためには、
最終的には数百万USドルの運用規模が必要と言われています。
口座開設の審査が厳しく、最近は資金の出所がはっきりしないと簡単には開けなくなっています。

5.) パートナーシップのプライベートバンク   

ピクテ(Pictet&Cie), ロンバー・オディエ(Lomberd Odier&Cie), ダリエ・エンシュ(Darier Hentsch&Cie) など。
スイスのプライベート・バンクは、一般的な意味でのオフショア・バンクではありません。
預金の勧誘や、貸付業務を行わないパートナーシップという経営形態であるため情報開示義務がなく、
顧客の守秘義務が保証されています。 通常半分以上の資産を一任勘定で運用します。

資産は長期的な保全の観点で運用され、資産継承まで含めた総合サービスを提供する形態です。
欧州の資産家の金融資産の40%は、スイスのプラーベート・バンクにあると言われています。
最近は、資産保全が主眼のプライベート・バンクは、資産運用が主眼の世界の大手金融機関の
プライベート・バンキング・サービスにおされております。
預け入れ資産はUS$1Million程度から対応しますが、通常一見の顧客の資産は預かりません。
最低限、既存顧客の推薦や、取引銀行からの人物紹介などのレターが必要です。
顧客の情報の秘匿は徹底的に遵守しますが、一方顧客が預け入れる資産の出所も徹底的に調べます。


利用者の数で言えば、日本人が利用しているオフショア銀行は, ほとんど上記の1.), 2.), 3.)のタイプであり、
4).のプライベートバンキング、5.)のプライベートバンク利用者は数億円以上の資産を持つ極一部の資産家です。 
4.), 5.), のサービスは、特に包括的な節税対策や、多額の資産継承において真価を発揮します。
1.), 2.), 3.)のタイプの場合、 その金融機関では扱っていないファンドや保険型商品などの購入をしたい場合、
別に証券会社や保険会社と契約し、オフショア銀行口座を決済口座として売り買いをすることになります。
当社で口座開設サポートをしている金融機関は 2.) , 3.) ,4.) のカテゴリーの金融機関です。





なにかしらの問題が発生した場合、金融機関の窓口に出向いて処理をすることが容易であるという点で、香港と
シンガポールのオフショア銀行は安心です。 また一つの銀行で預金、決済、運用のすべてができるので、
これから海外資産運用を始める方にとっては最もお勧めの選択肢です。 
香港とシンガポールは競い合って金融市場を整備してきましたが、すでに非居住者にとっては基本的に全く
税金を払わなくてもよい資産運用環境を提供しており、その意味では両者に違いはありません。

理由はよく分かりませんが、オフショア口座を開くための情報は、書籍にしろ、インターネットの情報にしろ
ほとんど香港の紹介ばかりです。 しかし実際には、香港は銀行口座を保有者の個人情報の秘匿が厳格で
ないことから、まとまった資産を有している大口顧客はシンガポールをメインの資産管理国にしております。

確かに香港は日本により近いという優位性はありますが、日本人にとっても資産運用をする場としての総合点は、
むしろシンガポールの方がかなり高いと考えます。 

実際にシンガポールのアセット・マネージメント金融機関の預かり資産は、すごい勢いで増加しております。
下記の表では2007年で、1.173兆SGD=約93兆円の資産がシンガポールのアセット・マネージメント金融機関で運用されていることが示されてますが、しかしこの数字はシンガポールの運用会社で、タックスヘイブン法人などの資産受け皿会社の資産を運用している金額は含まれておらず、実質的なシンガポールでの運用金額はこの数倍ではないでしょうか。






● 国、金融制度への信頼感


まず、国、および金融制度における信頼性の高さです。
シンガポールは、優秀な政府が外資を呼び込むためのインフラ整備を徹底的に押し進め、発展した国です。 
特に金融は、基幹産業の一つであり、政府の将来構想に従い、世界の金融基地たる事業環境を実現しています。
たとえば守秘義務の厳格な運用という点では、個人情報の漏洩に対する罰則が非常に厳しく設定されており、
スイスに次ぐ厳格性のレベルであるといわれています。 各国の金融機関も、金融のインフラがしっかりしている、
政権・経済が安定しているなどの要素を高く評価しており、実際にスイス系のプライベートバンキングの大手である
クレディ・スイスは、今後数年の間に新たに1000名程度のスタッフを雇い入れシンガポールをアジアの拠点
にする事を発表しております。 今後もこの流れは大きく変わることはなく、オフショア金融センターとしての
シンガポールの地位はますます向上してゆくと思われます。

一方 香港はどうでしょうか。 ここ数年香港人の資産家でシンガポールに資産を移す人が増えています。 
そのもっとも大きな理由は体制への不安です。
 香港の中国返還にあたり登小平は一国二通貨制を50年は
維持すると約束しましたが、近年、中国がもともと必要とした香港の機能を中国の各都市が奪いはじめているため、
約束は反故にされるリスクがあると分析しているのです。 
また、中国政府は、上海を国際金融センターとして育てようとしており、香港の金融基地としての地位は、
今後徐々に低下してゆくという見方が一般的です。 実際に1990年以降、香港のオフショアの市場規模は
少しずつ縮小してきています。


● 日本人にとって安心感のある国


口座が開設できてしまえば、その後その銀行を訪れる必要はない、とお考えの方も多いと思いますが、
果たしてそうでしょうか。 確かに定期預金で運用し、、それ以外はお金を出し入れするだけの使い方であれば、
そうかもしれません。 しかし、本来プライベート・バンキングや、ウェルス・マネージメントのサービスでは、
時には金融機関に出向いて担当者と話し込みをし、ポートフォリオを見直ししたり、経済環境やマーケットの情報を、
仕入れたりすることがとても重要です。
それゆえ、1000万円を超える資産運用とする金融機関であれば、たまにはその国を訪れたり、将来的には
長期滞在をするような前提で、選ぶことが大切だと思います。 


最近まで日本人の海外資産運用者は、すごい大金持ちか、海外駐在経験があるなど仕事で海外に慣れて
いる方ばかりでした。 しかし今後は、少しづつ普通の日本人が普通に資産運用をする場所としてオフショアを
利用するようになってくるでしょう。 
海外にあまり慣れていない方は、思うように事が運ばないと 「海外資産のことを考えると気が滅入る」という
状況におちいったりします。 楽しく、前向きな気持ちで資産運用をするためには、訪問を楽しめるような安心感の
ある場所を選ぶことが良い運用成果を得るためにも思いのほか重要であるという気がします。

この点で、 シンガポールは日本人のニーズ合っています。 
町がきれいで、どこでも英語が通じ、治安がよくて、威圧感が少なくて、気候が良く、いろいろな食べ物が安くて おいしいシンガポールは、普通の日本人が安心してエンジョイできる数少ない国だと思います。

シンガポールは欧米の金持ちたちも引き寄せています。 外国人にとって魅力のある国を作ることが、今後の
経済発展に欠かせないという視点で国のインフラ整備を進めているからです。 2009年にオープンする計画と
なっている、カジノも含む総合巨大レジャー施設も、この視点がベースにあります。

..........テロの活動が非常に困難である安全な国、
..........家族を安心して連れてこれる治安のよい国、
..........新種のウイルス対策などの保健衛生管理が行き届いた国、

欧米人にとっては、これらが訪問地、滞在地を評価する際の最重要項目となってきていますが、シンガポールは
すでにこれらの点でトップの環境を実現しており、今後、海外から長期滞在のためにシンガポールを訪れる
外国人の数はますます増えてゆくと予想されています。






● 資産保全の場


オフショアでの資産運用が、日本国内での運用と全く異なる点は、日本の金融当局の直接的な規制を受けないということです。 歴史を解説するまでもなく、数十年という単位でみればカントリー・リスクを無視できる安全な国は、ほとんどありません。 それゆえ欧米の資産家は、自国ではなく、金融国家とも言えるスイスに資産を預けてきたのです。
オフショアでの資産運用とは、住む国に問題が発生しても、資産を預けている金融機関と、資本主義経済体勢が維持されていれば資産を守ることができるという考えに根ざした資産保全方法なのです。

さて、日本という国のカントリー・リスクは、政府の巨額の負債を考えると決して低いとは言えません。 しかし、なんらかの行動を起こしている日本人は、ごく一部です。
財政危機という問題は現実となった時のインパクトが絶大であるということに疑問を挟む人はいないでしょう。 そうであれば、例え可能性が1%でも(実際には、もっともっと高い確率であると考えますが… )、十分な準備をしておくことが合理的な判断と言えます。

海外に銀行口座を持つことは、資産の機動力を確保することです。 
日本のカントリー・リスクに対する資産保全という意味においては、いざと言う時に日本から資産を移せる口座を日本の外に持っているということが最重要であり、それがどのような口座でもかまいません。 

恐らく財政破綻の憂慮が現実に変る際には、国民が自分の資産を守る準備をする時間はないでしょう。
それ故、とにかく一つ、日本の外に銀行口座を開設しておくことが肝要です。 “備えあれば憂いなし”です。


● 資産を運用する場


人間は、必ずしも物事を合理的に捉えられない動物であるといいます。 人間の不合理性を示す理論は、2002年ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが立証した、「人間は、プラスになった領域では利益を確定したがり(不合理にリスクを嫌う)、マイナスの領域になると不確定なものを好む(= 不合理にリスクを取る)傾向を持つ」というプロスペクト理論が有名です。
どの国の投資家でも、多少は感覚に左右されるわけですが、日本円での運用に固執する行動パターンを眺めると、日本人は特に “不合理にリスクを嫌う傾向” が異常に強い気質を持っている、と感じざるを得ません。

為替相場というものは、実体経済の需給バランスよりも、機関投資家による美人投票のようなもので、将来の展望も織り込んでレートが決まります。 独自の相場観を持っていない人にとっては、円高と円安は半々の確率で起こり得るというのが、投資期待値の計算の基礎になるはずですが、日米の金利差が3%以上あっても、ほとんどの余裕資産を円で持っている方ばかりです。 

国民が金融に合理性を求めないお国柄で、健全に金融市場が育つでしょうか。
はっきり言ってしまうと、製造分野における日本の先進性はたいしたものですが、こと金融に関して言えば、日本はかなりの後進国です。そしてその要因のひとつは、日本人は論理的な思考・分析力が弱い、というところに根があると思います。

日本の金融の後進性は、まず時価会計が金融業界の中でさえいまだに徹底されてないことを見れば歴然としています。最先端の金融商品を開発する能力のある日本人の金融技術者は、日系金融機関にはほとんどいません。 
日本の金融機関は、海外の金融商品をこぞって小売していますが、日本の金融機関の開発商品は、オフショアではほとんど出回りません。 最近、野村證券が意地に掛けてスペシャリストを養成していますが、海外の投資銀行と互角に渡り合うには何年かかるか分からないような状況です。その野村證券は、日本国内ではダントツに先進的な企業でなのですから、日本の金融機関全体のレベルが推察できるというものです。

顧客の目が厳しくないために十分な競争原理が働いていないのが日本の金融市場です。 
2006年3月の大手銀行の決算は、景気の回復で軒並み最高益を記録しましたが、これは日本の銀行も海外のメガ銀行のような収益構造を獲得したからではなく、日本の顧客が “ものを言わない客” であるが故に、金融活動が活発になると黙っていても儲かるという構造が存在するからです。 
個人の資産運用に関しても、顧客の目が厳しいオフショア・バンク と 日本の銀行ではすべての面においてまだまだかなりの格差があるのです。


● 勉強の場


この20年に経験した、極端な経済の浮き沈み、IT技術の発展による経済の変化、テロによる世界情勢の変化などを20年前に予測できた人は、ほとんどいないでしょう。
同様に、これからの20年間に起こる変化も想像をはるかに超えたものになるはずです。
( 人間は昔のことは簡単に忘れるので、通常そのようなことに思いが行きませんが…。)
恐らくは世界の知識人たちが懸念している通り、 資本主義に代わる体制が現れない限り、益々競争は激しくなり、益々ボーダーレスになり、益々貧富の差が広がるという方向に向かってゆくのでしょう。

戦後の日本の発展は、いろいろある能力の中で 日本人がたまたま物づくりにおける能力に卓出していたことが幸いした結果です。 時代は、知価社会になったといいます。 政治が苦手で、論理的な思考が苦手で、人を出し抜くことが苦手な国民である日本人は、これからのタフな時代において大いに苦労を重ねることになるのではないでしょうか。

困難な時代の中でうまく立ち回るためには、世の中の動きがよく見えるようになる必要があります。 
海外での資産運用は、視点の高度を上げ、アンテナの感度を上げるための鍛錬の場所となるのです。

世界のニュースに触れ、数字を分析して状況判断をする癖をつけ、ロジカルな思考が身に付けば、これから人生のなかで下す判断に少なからずよい影響を及ぼすはずです。
投資で資産が増えることよりも、むしろ海外での資産運用で代えがたい貴重な経験、知識を得て、判断力を養うことの方が、もっと意義が高いのではないか、という気がします。






どの金融機関に口座を開設するかで、資産運用の成果が大きく変わると言うと大げさに聞こえるかも知れませんが、それはある程度は事実であると思います。
普通の個人投資家の情報収集能力、分析能力はたかが知れているわけであり、投資判断のかなりの部分は、金融機関や、その担当者からの情報を基にもっともらしく選択しているに過ぎません。 自分の判断で運用商品を決めている方でも、口座を開設する金融機関や、顧客担当者に知らず知らずかなりの影響を受けているのです。 
大口相手の金融機関で、優秀なアドバイザーが担当になれば、運用成果が必ず上がるかといえばそうとは言い切れませんが、一般的には、運用ノウハウや情報力に勝る、大口相手の金融機関を選ぶことが運用成果をあげるための一つの戦略であるとは言えます。 別の視点では、金融機関にしろ、担当者にしろ自分の求めているものを提供できるかどうかを考えて選ぶことも重要です。


● ピラミットの頂点 ゴールドマン・サックス


運用実績という観点で見た場合、現時点での最強の金融機関は、ゴールドマン・サックスではないでしょうか。 
ゴールドマン・サックスは、運用資産がUS$ 600Billion( 70兆円)を超えるにも関わらず、顧客担当者にあたる Financial Adviserは全世界でたった450名ほどしかいません。 
そしてFinancial Adviserはそれぞれ20名(or企業)余りの顧客しか持っていません。 要するに超大口の顧客しか相手にしていないということです。( 個人投資家の運用金額は、最低レベルでもUS$10Millionという世界です。) 
ゴールドマン・サックスのもう一つの特徴は、機関投資家も個人投資家も同じプラット・ホームで分け隔てなく対応していることです。 つまり運用金額次第では、個人投資家が生命保険会社が資産運用をするのと同じような条件でポートフォリオを組んでいるのです。 

また、ゴールドマン・サックスの運用商品のほとんどには、自己資金が20-30%入っており、企業利益の3割程度は、自己勘定の運用から生まれているというのも日本では考えられない話です。
ゴールドマン・サックスは、個人投資家へのサービスを“Private Wealth Management” と呼びますが、その年間運用目標は、ボラティリティーを6%程度に抑える管理をしつつ、総合実績で10%の運用益をあげるというものです。 これが世界の資産運用の、ピラミット構造の頂点です。

お金は、お金のあるところに集まるといわれますが、海外の資産運用の世界は、多層のクラスが存在するなかで、トップの人たちがもっとも確実に儲けているというご想像通りの世界です。 


● できるだけ大口顧客相手の銀行を選ぶ


個人への運用サービスを提供する銀行は、それぞれに独自の経営戦略をもっています。 最も大口客先に特化している金融機関がゴールドマン・サックスであり、UBSやクレディスイスが、それに続いています。 逆にすべてのクラスの客層を取り込もうという戦略をもっているのが、香港上海銀行や シティバンクです。

小口の客先へのサービスに対応するシステムを構築している銀行は、どうしても客のわがままを制約する必要がでてきます。 当然ながら大口顧客には、特別な待遇をするわけですが、どうしても中心となる客層にサービスのレベルが引っ張られてしまいます。 一方大口の顧客を中心顧客としている金融機関は、きめ細かいサービスをすることで顧客をつなぎ止めようとするため、結果として逆に小さなロットでも、有利な金融商品を販売する体制となり、最低ランクの顧客に対しても、ある程度融通のあるサービスを提供することになります。
このような事情から、なるべく有利な金融商品を小口で買える金融機関を望むのであれば、できるだけ大口顧客を中心顧客としている金融機関に口座を開くことがポイントとなります。
大口顧客相手の金融機関に口座を開設するには、それなりの資金を預け入れなければなりません。
よって、どの金融機関に口座を開くかは、どれだけの資金を預け入れするのかにも大きく左右されます。


● 金融機関と どのように付き合うのかを考える


どの銀行に口座を開くかは、金融機関とどのように付き合うのかという点も考慮しなければなりません。
銀行を投資商品の売買窓口としてだけ利用するのか、それとも、情報収集や、商品の評価などの情報ソースとして利用したいと考えるかによって、最適な金融機関も変わってくるということです。

極端な話、金融機関の情報に頼らずにすべての資産を個別銘柄の株投資で運用する人は、決済用に最低限の機能の銀行口座を開設し、運用はできるだけ売買手数料の安い証券会社を活用するというのが合理的な選択です。 一方、金融機関の担当者の紹介してくれた商品を、従順に購入する顧客にとっては、優秀でサービスのよい顧客担当者のいる金融機関を選びたいと考えるでしょう。 実際にシンガポール人の投資家になかには、顧客担当者が他の銀行に転職すると(よくあることです)自分の資産も別の銀行に移してしまう方が数多くいます。

より有利な金融商品を小口で買うにはできるだけ大口顧客相手の銀行を選ぶべし、と述べましたが、しかし一方で顧客担当者からできるだけパーソナルなサービスを受けたい場合、背伸びして口座を開くと思うようなサービスを受けられないということになりかねません。 より的確なアドバイスができる大口顧客を担当するようなスタッフは、給料も高いわけですから、当然のことです。
自分は金融機関になにを求めるのか、要するに自分の投資スタイルに照らしあわせて金融機関を選ぶことが大切です。

● 日本の語でのコミュニケーション環境が最重要


日本人は苦労して口座を開いた後、結局最初に預け入れた資金をそのまま眠らせているだけ、というケースがよくあります。 これは口座開設をした金融機関のランクとのミスマッチというより、往々にして英語や、商習慣の違いを克服できなかった結果であるようです。 大金を動かすわけですから、使い慣れない英語での手続きに不安感を抱くことはある意味当然のことです。
どんなに有利な金融商品を扱っている金融機関であっても、不安に感じて運用ができないのでは、その金融機関に口座をもっている意味がありません。
幸いシンガポールには日本人顧客のために日本人の窓口担当者がいる金融機関がいくつかあります。
それ故、当社ではかなり英語に慣れている方にも、日本人が顧客担当者となる金融機関をお勧めしています。






テロ活動への資金の流れを断つという国際的な総意が形成されてきており、口座開設時の身元の確認、資金の出所、送金の目的確認など、オフショアの口座開設、資金の出し入れは、ますます厳しくなっております。
日本人のオフショア資金は テロとの関連においてはあまりマークされてはいませんが、それでも今後日本人のオフショア口座開設はさらに難しくなってくるでしょう。
日本政府が、規制緩和の流れに逆行して、外貨取引に対する規制を強化するということは、財政が行き詰らない限り考え難いですが、各金融機関が日本居住者に対するの口座開設の門戸を閉じてゆくという形で徐々に口座が開けなってくる可能性があります。その背景は;


1)
 日本の金融当局、税務当局は日本人の金融資産が海外に流れることを危惧しており、
...........日本に進出した海外の金融機関に対して、日本の居住者のオフショア口座開設を制限させる
...........政治的な プレッシャーが強まっていること。

2) もともとオフショア口座を持つ日本人顧客一人当たりの運用額平均は他国人に比べてかなり低く、
...........言葉の壁もあるため金融機関の収益にさほど貢献していない。 大手海外銀行は プライベート・
...........バンキングをはじめとする日本国内のサービスを強化してゆく流れであり、日本人向けのサービスは
...........日本国内に集約したほうが効率がよいこと。

 

実際に、日本の金融当局は、日本人投資家の保護という理由で、海外の金融機関が日本の居住者に対してファンドや債券などの商品の紹介やアドバイスをすることを規制するように、各国の金融当局に働きかけをしており、ファンドなどのリスク商品については、日本に居ながら海外金融機関のアドバイスを受けることは原則的にできなくなっています。 ゆくゆく、日本に営業拠点持っている大手海外金融機関は大口顧客にだけにオフショア口座を提供するという流れになってゆくのではないでしょうか。
一旦開かれた口座が金融機関の事情で強制的に閉鎖される可能性は低いと思われますので、
ゆくゆくはオフショアに口座を持ちたいと考えている方は今のうちに行動を起こすことをお勧めします。





シンガポールのオフショア金融機関とは、中央銀行の役割を果たしている MAS ( Monetary Authorities of
Singapore ) 
からライセンスを入手し、ACU(Asian Currency Unit)と呼ばれるオフショア取引の会計を別途
管理することで活動をしている金融機関のことです。
現在 シンガポールにあるオフショア金融機関は 153機関もあります。 この内の一部が個人向けの
資産運用サービスをしているオフショア・バンクです。

シンガポールは1978年に外国為替管理を撤廃しており、外貨取引については完全に自由化された市場です。 
シンガポールの金融市場での規制は主に投資家ではなく、金融機関に対する規制です。
特徴的な規制はSGD建ての貸出金額の制限やSGD建てデリバティブ商品の報告義務を課すなどのルールですが、これは SGDに対するヘッジファンドなどの投機をにより、金融機能が阻害されないための防衛であり、金融市場を
安定管理するためのインフラ整備の一環です。 

シンガポールには現在、現地資本の銀行が5行ありますが、下位の2行は上位銀行の系列銀行ですので
実質的にはDBS、UOB,OCBCの3行です。 シンガポール国内での商業金融取引ではこの地場銀行が
大きなシェアーを握っています。
DBS、UOB,OCBCもACU勘定をもち、個人向けの資産運用サービスを提供しています。

シンガポールのオフショア金融機関の特徴は、その口座で様々な投資商品を買うことができることです。 
そして各金融機関は、自分のところで揃えている金融商品の中で顧客に資産運用をしてもらうことを念頭に
サービスが考えられています。
よって口座開設の審査では、ある程度の金額の資産を運用してくれる顧客であることが求められ、
最低預け入れ金額の敷居が、預金と決済だけのオフショア口座と違い高い、と言えます。
顧客としてきめ細かなサービスを受けるための預け入れ資産の金額の目安は、口座開設時の
最低預け入れ金額の2-3倍程度の金額と理解ください。

シンガポールにあるオフショア金融機関で 非居住者が口座開設できる金融機関は、
ずべて大手優良銀行 ばかりです。
大きく分類すると シンガポールの地場、欧州系の金融機関、米国系の金融機関に分けられます。
中でも個人の資産運用口座を提供している代表的な金融機関をいくつかご紹介します。


>>> シンガポール地場銀行<<<

DBS ( Development Bank of Singapore )
政府系銀行、シンガポールの郵便局にあたるPOSBの預金部門を1998年に吸収しシンガポール最大の
銀行となりました。グループの総資産は約S$180Billion。
香港でも資産額で5位に付けています。

UOB ( United Overseas Bank )
1935年設立。 2001年にシンガポールの大手民間商業銀行の一角であったOUB(Overseas Union Bank )を
吸収し、現在、総資産、S$130Billionを超える銀行となりました。 全世界で61の支店と380を超える事務所を
構えています。
2004年にタイのBank of Asia Public Company Limitedを買収するなど海外展開に力を入れています。

OCBC (Overseas-Chinese Banking Corporation )
1912年までルーツを遡れるシンガポールで最も歴史の長い民間銀行です。合併によりOCBCとなったのは1932年。グループの総資産は約S$110Billion。14の国々に110の支店を持っています。


>>> 欧州系金融機関<<<

HSBC ( 香港上海バンク )
英国の対中国交易のために1865年に設立された英国の植民地銀行、The Hong Kong Shanghai Banking Co. Ltd が源流。 本店はロンドンにあります。77カ国に約9800の事務所を持ち、自らを 「The World’s Local Bank」,と名乗るだけのことはある世界のリテールバンクです。

UBS AG
プライベートバンキング部門でUS1兆ドルを超える世界最大の預かり資産を誇るプライベートバンキングの
最大手です。
1998年にスイスユニオン銀行とスイス銀行コーポレーションの合併によい誕生しました。
口座開設には通常US百万ドル以上の預け入れが必要です。 日本でもプライベートバンキングを手がけています。

Credit Suisse Group
1856年創設、150年の歴史を有する世界有数の金融機関。
プライベートバンキング はCredit Suisse社 ,アセットマネージメントは Credit Suisse First Boston社が行っています。
プライベートバンキング の預かり資産金額は、約US$4000億と世界第3位の規模です。 
グループ全体での預かり資産はUS1兆ドルを超えます。
シンガポールをスイスに次ぐPrivate Bankingの拠点とすることを決定しその整備を急いでいます。
通常US百万ドル以上の預け入れが必要。


>>> 米系金融機関 <<<

Citibank
世界最大規模の金融グループ Citibank groupの中核企業。
1982年には利益でもBank of America を抜いてアメリカ最大の銀行となりましたが、その後の拡大路線の
失敗で収益率を落とし1990年頃に経営危機を経験しました。 その後、リテール業務に特化し急速に収益を
改善させました。 現在のCitigroupは1998年に CitiBankの持ち株会社であったCiticorpと、
Smith Barney証券などを抱えた保険金融グループであったTravelers Groupが合併して誕生しました。
日本でのプライベートバンキング部門は、2004年に撤退しています。

Smith Barney
1873年に設立され、投資銀行として成長。1993年にTraveler's Gorupの傘下となった際にSalomon Inc.と
合併し Salomon Smith Barneyとなり、 その後1998年に CiticorpとTraveler's Groupの合併によりCitigroupの企業となりました。 13,000人もの投資アドバイザーを有し700万人を越える顧客を抱え、投資金融の総合的なサービスを行うCitigroupの中核会社。

Merrill Lynch
1914年にチャールズ・メリルによって創業され証券会社として成長、現在、世界36カ国に拠点を持ちグループでの預かり総資産はUS1.6兆ドル。 世界の企業、機関投資家、政府機関、個人などに投資アドヴァイス・サービスを提供している世界有数の投資銀行。 グループ会社である Merrill Lynch Investment Managers はUS4500億ドル以上の運用資産を保持する有数の資産運用会社です。





シンガポールドルを基本通貨として運用したいという方のためにS$の為替管理について多少説明します。
シンガポールは通過バスケットにて算出した為替レートを基準として一定の範囲に為替をコントロールするため、MASが外国為替市場に介入して為替相場を管理しています。 為替バスケットを構成する各通貨の割合は、シンガポールとの貿易取引の金額を反映させ決めているといわれておりますが、MASは為替バスケットの詳細を公表していません。 市場関係者の推測ではUS$、日本円、Euro、以下12通貨で構成されているらしく、おおよそ US$45%、日本円20%、EURO15% その他20%程度の割合と推測されております。 よってS$の為替レートの動きは短期的には円よりUS$の影響を強く受けます。
シンガポール政府は物価安定(インフレの抑制)を金融政策の主要目的と位置づけているため、金融政策として為替レートの調整を介入により実施する場合があります。
US$に対する動きは1996年ごろの1.4/1US$ 程度のレートが、1997年の通貨危機以降弱くなり2001年から2002年にかけての1.8程度がピークとなりました。その後徐々に戻してきて また1.4/US$ 程度になってます。
日本円との為替レートは 1SGD=80円程度です。